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竹下俊行

竹下俊行

Takeshita Toshiyuki

1981年 日本医科大学卒業
1981年 産婦人科教室入局 以後、医局長、講師を歴任
1989年
〜1992年 
米国NIH留学
1998年  日本医科大学産婦人科 主任教授



不育症について

不妊症とは妊娠しない場合をいいますが、妊娠はするものの流産を繰り返したり、中期に早産や死産を繰り返して元気な赤ちゃんを抱くことができない場合を不育症といいます。妊娠したにもかかわらず赤ちゃんを途中で失う苦しみは妊娠しない苦しみと同じく、いや、それ以上につらいものかも知れません。

妊娠をした人の10%から15%は自然に流産してしまいます。その多くは赤ちゃん側に原因があり、受精卵は染色体異常などのために、もともと育たない運命にあり、治療の対象にはなりません。しかし、流産が2回、3回と続く場合は赤ちゃん側の原因ばかりとは考えられません。自然流産を3回以上繰り返す場合は習慣流産といい、これは治療の対象になります。習慣流産では適切な治療をほどこさないと次の妊娠でも50〜70%が流産してしまいます。そこで、このような場合には原因をつきとめるための検査を行い、それに基づいて診断・治療を行います。不育症・習慣流産の原因は様々です。子宮奇形や子宮筋腫(特に粘膜下筋腫)などの子宮異常、ホルモンの異常糖尿病甲状腺疾患、ある種の感染症免疫異常などが考えられますが、この他にもこれといった原因が見つからないのに流産を繰り返す場合も多いのです。また、両親のどちらかが染色体異常の保因者であるときも流産を繰り返すことがあります。

このうち、免疫異常による流産が最近注目されています。ここで免疫異常による流産について少し詳しくお話ししましょう。お母さんの体が妊娠を受け入れにくいような体質だと、赤ちゃんが育ちにくい場合があります。こうした体質の中に免疫異常に基づくものがあることが最近の研究でわかってきました。人の体には外から細菌やウィルスなどの異物が侵入してきた場合、これを排除する免疫機能が備わっています。胎児は母親由来の遺伝子と、父親由来の遺伝子をちょうど半分ずつもらっています。すなわ、胎児の半分は母親にとっては異物であると考えられます。本来の免疫機能が働けば胎児は排除されてしまうことになりますが、これでは妊娠は成立しません。そこで子宮の中の大切な赤ちゃんだけはこの免疫機構から見逃してもらうような巧妙なからくりがあるのです。ところが、なかにはこの巧妙なからくりがうまく働かないために他の異物と同じように排除してしまう場合があります。これが免疫異常による流産です。このような場合には、夫のリンパ球を注射する免疫療法を行います。まだわかっていない部分も少なくないのですが、世界中の多くの研究機関で有効性が報告されました。当院でも数年前からこの夫リンパ球免疫療法を行い、大変よい成績を上げています。また、抗リン脂質抗体症候群といって、自分の体の成分に対する抗体をつくる自己免疫疾患の一つがありますが、この場合にも流産を起こしやすくなります。抗リン脂質抗体症候群も免疫異常による流産に数えられます。治療法には低用量のアスピリン療法(小児用バファリン)や漢方薬(柴苓湯)を用いる方法があります。

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