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山王ドームクリニック

妊娠中の気になる症状

便秘

妊娠すると便秘しやすいといわれますが、ある調査で便秘があったという人は20〜25%程度でした。
人によっては、下痢気味になる事もあり、下痢と便秘を交互にくり返す事もあるようです。
便秘が問題となるのは、妊娠中によく見られる痔を悪化さたり、原因となったりするからです。
対策の第一は食事の注意。繊維質の多いもの(芋、ごぼう、セロリ、緑色野菜など)をとり、また規則的に食事をとるようにすること。
第二は規則正しい排便の習慣をつけること。食事をすると腸の動きは活発になるので、食事の後に排便する習慣をつけておくと良いのです。第三には、寝起きに水か牛乳を飲むこと。水分摂取は便が硬くなるのを防ぎ、冷たい水や牛乳の摂取で腸の動きは活発になります。
どうしても駄目な時には下剤を使っても構いません。処方してもらって下さい。

痔といわれる肛門の異常の中で妊娠中に問題となるのは痔核(いぼ痔)です。
これは、肛門の近くの血管に血液がたまった状態で血管や周囲の組織が腫れた状態と考えて良いと思います。
大きくなった妊娠子宮が、血管を圧迫するために下半身のうっ血をおこしがちになります。便秘のために肛門近くに便がたまるとその圧迫によって更に肛門周囲のうっ血が強くなります。
下半身のうっ血をとるためには、軽い運動をして血液の流れを良くすること、入浴などが、大切です。入浴して肛門を清潔にしておくことは、感染を予防するためにも大切なことです。
痔の原因から考えると、妊娠中はずっと痔に悩まされそうに思われますが、前に述べた注意を守れば改善されますし、座薬、軟膏を処方してもらって下さい。

頻尿

膀胱は子宮と恥骨の間にあります。妊娠している子宮が大きくなると膀胱は恥骨との間に挟まれて圧迫されるため尿が近くなるのです。
骨盤内のうっ血も、いつも尿がたまっているように感じる原因になっているかも知れません。
少し煩わしいでしょうが、これも妊娠中期になると軽くなるようですから、一寸の間の辛抱と思って下さい。
ただし妊娠中は膀胱炎や腎盂炎をおこしやすいので、排尿を我慢しないことです。膀胱炎の場合は、頻尿と同時に残尿感、排尿痛が出ることが多いです。このような時は治療が必要となります。
妊娠末期35〜36週位になるとまた尿が近くなったと感じる人が多くなるようです。夜、数回位起きるという人も出てきます。胎児が少し下降してくるためと考えられています。

胸やけ、胃のもたれ

妊娠すると胃の動きが弱くなり、食べたものが胃で消化され腸の方に押し出されていくのに、時間がかかるようになります。また大きくなった子宮で胃が押し上げられていることも胃のもたれの原因となっています。一度に沢山は食べられないと感じることもあります。
子宮が大きくなったために、腹腔の内圧が高くなり横隔膜が押し上げられます。このために、食道と胃の接ぎ目がゆるみ胃液が食道の方に逆流しやすくなります。
強い酸性の胃液のために食道の粘膜が炎症をおこし、そのため胸やけの症状が現れます。一回の食事の量を少なめにすること、あまり胸やけが強いようならば、主治医に薬を処方してもらうのも良いでしょう。

胸どうき、息切れ

妊娠によるホルモンの変化が、呼吸の深さと数を増加させます。子宮が大きくなるため、横隔膜を4センチ程も押し上げられ、このため胸で呼吸するようになります。心臓は少し倒れた形になり、その上血液の量も妊娠初期から増加しはじめ、妊娠32週頃に最高となり、妊娠していない時よりも40%も多くなっています。このような事が、どうきや息切れの原因となり、妊婦の6割は程度の差こそあれ、どうきを訴えるという調査報告もある位です。
それだけ身体的には負担になっているのですが、一般的には妊娠前の日常生活(階段を上がったり、多少走ったり、運動をしたりなど)が普通に出来ている場合にはまず大丈夫と考えています。妊娠中にあまり具合が悪くなるようであれば、分娩の時は心臓に更に負担をかけることになるので、内科的に検査をしておく必要があります。

めまい、たちくらみ

妊娠すると血圧は少し低めになります。ホルモンの変化、自律神経のバランスの変化も関係して、これが立ちくらみの原因になっていると思われます。
同時に胎児の発育のために鉄の利用が増加し、これはすべて母親から供給されるので、鉄の蓄えが少ないと母親の血色素(ヘモグロビン)の量が減って貧血をおこしてきます。これもめまいや立ちくらみの原因となります。
血液中の血色素量(ヘモグロビン値)が11.0 g/dl 以下になると治療が必要とされておりましたが、最近では、多少、貧血気味の方が、血栓症等、分娩時の合併症を回避できるのではないか?との考え方もあり当院では、原則として、10.0 g/dl 以下の時鉄剤を処方する事が多くなっております。
妊娠したら食事に注意し鉄分の多いもの(レバー、ほうれん草、あさり、かき、ごま等)をとるようにすることも大切です。

足のけいれん

朝、目が覚めた時ノビをすると足(ふくらはぎ)がつるのも比較的よく経験することのようです。
ビタミンB1やカルシウムの不足、疲れ、運動不足などが原因として考えられていますが、よくわかってはいません。カルシウム剤、ビタミン剤の内服をすすめたり適当な運動をすすめたりしますが、いつの間にか、おこらなくなるようです。一ヶ月以上続くことはまず無いように思います。
それでも、つった時の痛みは我慢しきれないものです。ノビをする時に足首をのばさないように注意すると予防になります。ふくらはぎの筋肉が収縮したままになった状態ですから、つま先をスネの方に近づける様に、即ちふくらはぎの筋肉を引きのばすようにするとなおります。なおったあとは、マッサージして血流がさかんになるようにします。適当な運動は下肢の血流を促進し、代謝産物が筋肉にたまるのを防ぐことで予防できるのです。

手足のしびれ

これも原因のはっきりしないものの一つです。
胎児の発育にビタミン類(特にB1)が消費されるためという考えもありますし、軽いむくみのために指に分布する神経を圧迫するためなどと説明されています。
朝、目が覚めた時に手が握れない位はれぼったかったり、指を伸ばす時に、他の手を添えて伸ばさないと伸びなかったり、という症状と一緒にしびれがある時は、むくみのためと思われます。起きてから、手を握ったり開いたりをくりかえすと楽に動かせるようになります。足のしびれにも適度な運動が有効です。
ビタミン剤の内服も試みて良いことですが、バランスのとれた食事が最も大切な事でしょう。魚介類、豆や豆製品、肉類、野菜、果物などを十分にとって下さい。

背中や腰のいたみ

妊娠子宮が大きくなると、その重みを支えるために背骨は後ろに反ってきます。背骨の周囲の筋肉は、これを支えるためにいつも緊張しています。そのために丁度肩こりと同じように腰を中心とした筋肉の重苦しい痛みを感じるようになります。腰を曲げたり伸ばしたりの体操(妊娠体操の骨盤の振動やヨガの猫のポーズとライオンのポーズ )を毎日続けることは極めて有効です。
腰痛のもう一つとして、腰骨と背骨をつなぐ関節が少しゆるむために、寝返りをうったり、片足にに体重をかけた時に右か左のギクッとした痛みをおこすことがあります。これはお産の時に骨盤が少し開いて胎児が通りやすくなるように関節がゆるむためなのです。
骨盤にかけて腹帯を少しきつく巻くこと、前に述べた腰痛体操で関節を支える筋肉の力を強くすることで、相当改善することができます。

下肢のいたみ

“腰が痛い”という妊婦さんに、よく聞くと、臀部の痛みであることも多いようです。
骨盤腔内で大きくなった妊娠子宮や、妊娠末期なは下がってきた児頭が、骨盤内壁を下降する神経を圧迫するためにおこるのではないかと考えられています。その中で一番大きい神経が座骨神経でその痛みは大腿後面の中央に沿って感じます。それから臀部へ分岐する神経の圧迫が痛みの原因だはないかと考えられていますが、はっきりしていません。

出血(妊娠初期)

妊娠中の出血は比較的多く見られる症状ですが、その原因は妊娠の時期により多少の違いがあり危険度にも差があります。出血の程度も凝血が出たり、明らかに出血とわかる場合もありますが、茶色や褐色のおりもの程度のもの、更には普通のおりものに血液が少し混じったような場合もあります。出血が続く時、痛みを伴う時には、原因を確認するために診察を受けて下さい。

(1) 月経予定日頃に少量の出血が1〜数日間続くことがあります。これは月経様出血といい、妊娠によるホルモンの変化に伴うものであまり心配はいりません。

(2) 流産の始まりとして出血が見られることがありますが、出血の様子だけでは他の原因による出血との区別はなかなか困難です。尿の妊娠反応の強さを調べたり、超音波断層法の検査で胎児が順調に発育している事が確認できれば、安静により間もなく止血することが多いものです。妊娠初期の流産は受精卵の異常(染色体異常)のためにおこるものが大部分で、自然淘汰と考えられるようになりました。

(3) 妊娠子宮はうっ血状態にあり、組織も軟らかくなっているために子宮口付近の”びらん”や頚管ポリープからの出血もおこりやすい状態です。この種の出血は心配ないものですから、原因をはっきりさせるための診察、検査は必要な事です。

(4) 稀なことですが、少量の出血を妊娠15週頃までくりかえすことがあります。安静にすると止まり、少し動くと出血するという状態が続きます。時期がくると出血しなくなり、あとは妊娠末期まで何とも無いので全く心配はありません。

出血(妊娠中期・末期)

妊娠12週を過ぎると出血することはずっと少なくなります。しかし子宮の変化(うっ血と組織の軟化)は続いていますから、子宮膣部びらんや頚管ポリープからの出血は特に性交後などに見られます。しかし出血はわずかなものです。
妊娠16週になると胎盤はその形を完成するとされています。この胎盤が子宮口に近い所にあると出血しやすく、特に子宮口にフタをしたようになっていると(前置胎盤)、出血がなかなか止まらず、出血量が多くなると妊娠の継続を断念しなければならない場合もあります。しかし頻度は少なく五百〜千の妊娠に一つ位しかありませんし、超音波断層法で確認できるので安静などにより子宮収縮を押さえることで出血を予防し妊娠を継続することが可能です。数ヶ月間にわたって安静を守るという事は辛いことですが、医師の注意を守れば分娩予定日近くまで妊娠継続することができます。

静脈瘤

大きくなった妊娠子宮によって骨盤腔内の血管が圧迫されます。動脈より静脈の方が強く圧迫されるため下半身のうっ血がおこります。そのため静脈圧は妊娠していない時よりも高くなっています。このような事は誰にでもおこっているのですが、静脈の壁に少し弱い所がある人ではその部分がふくらんできます。これが静脈瘤です。
比較的太い静脈におこれば、青筋となり膝の裏や下腿、膝頭の内側、外陰部などによく見られます。細い静脈におこると紫色の網目状にみえます。これは足首や土ふまずの内側なよく見られます。血管の壁は丈夫なので自然にきれて出血することはほとんどありません。妊娠中は寝るときに足を高くしてやすむこと、弾性靴下(エラスティック・ソックス)を使うとことで進行を防ぐことができます。また適度な運動は下半身の血流を改善するので大事なことです。
出産直後は血液がかたまりやすくなっていることもあり、血流速度の遅い静脈瘤の部分に血栓を作りやすいので、分娩直後から足を高くしてやすみ、早期に歩くように注意して下さい。

おりもの

妊娠中はホルモンの変化、代謝が盛んになるなどのために膣の分泌物(おりもの)が増加します。従って多少の増加は正常と考え、清潔に注意するだけで良いのですが、痒みや痛痒さを伴う時は検査が必要です。妊娠中は特にカンディダというカビの一種が増殖しやすい条件になるため、カンディダ性膣炎や外陰炎をおこしやすいのです。おりものをきれいに拭きとり、一週間に一度坐薬を膣内に挿入し、カンディダ用の軟膏を塗布することを連日約2週間続けます。治療が終わった後10日位して完全に治っているかどうかを確認するための検査をします。分娩の時までカンディダ性膣炎が続いていると、胎児はその中を通ってくるために、生まれた後に鳶口蒼(口内炎の一種)やお尻のカンディダ性皮膚炎(おむつかぶれの一種)をおこすことがあるので、必ず治療して下さい。

下腹痛

妊娠中の下腹痛は、しばしば経験されることです。にわとりの卵大の子宮が、妊娠11週では拳大となり20週には子供の頭位と大きくなるのですから何等かの違和感や、つれる感じがあるのはむしろ当然といえるでしょう。この頃までに痛みとして感じられるのは、左右の足のつけ根に感じる、おそらく円靱帯がひっぱられるための痛みです。それ程長くは続かずいつの間にか消えてしまいます。
子宮筋腫を合併している時は妊娠20週を過ぎた頃にその部分に痛みがあり、鎮痛剤を必要とする位の時もありますが、1週間位で消えることが多いようです。虫垂炎の手術後、その他の原因のために癒着があると、癒着部がひっぱられるための痛みがあったり、この頃に円靱帯附着部の牽引痛、圧痛がみられることもありますが、いずれも一時的のものです。
切迫流産・切迫早産のための痛みは「生理痛のような痛み」と表現されることもありますが、痛い時に下腹部を触ってみると、固く収縮した子宮を触れることができるので他の原因による痛みと区別することができます。

むくみ

むくみ(浮腫)は妊娠高血圧症候群の3つの症状(高血圧・蛋白尿)の一つとして重視され、注意されていますが、むくみだけでしかも出たり消えたりする場合には妊娠高血圧症候群と直接結びつかないものもあります。
手のしびれや握りにくさで気がつかれる事も多いようです。急に進行して指輪がとれなくなって慌てることもあります。全身的な水分の貯留と、おなかが大きいため側臥位で眠ることが多く、下になった腕に長時間の圧迫のためにおこることが多いようです。
痔や静脈瘤の項に書いたように大きくなった妊娠子宮の圧迫のためにおこる下半身のうっ血はまた下肢のむくみの原因となります。長く立っていたり腰掛けているとむくみは強くなります。左右差がある時、適度な運動や就寝時に足を高くすることでむくみが軽くなる場合などは、妊娠高血圧症候群のつながるものではないと考えて良いようです。

発熱

妊娠すると基礎体温の高温相が持続します。高温相は36.7〜37.0度位ですから、午後になると37度を超える状態が続き、熱っぽいと感じる人もいます。妊娠15〜20週までに平熱に戻ります。
37.5度を超えるときはウイルスや細菌感染による事が多いと思われます。診察を受け、必要な場合には抗生物質を使用します。医師が抗生物質を処方した時は必要があって処方しているので、必ず指示どうりに内服して下さい。大事に至ることがありますから。
熱の胎児への影響はどうでしょうか。38度を超えると大人と同様に脈が早くなります。一般的にはそのような状態が2、3日続いても胎児の異常を起こすことはありませんが、頻脈は心臓にとっては負担となるので、なるべく熱が下がるように、水枕や氷のうを使うのも良いと思います。

薬を服用する時の注意

薬は決まった薬理作用を持っています。従って胎児に影響する場合にも決まった効果を示すはずです。また胎児への影響としては受精後1週間目頃より妊娠11週頃までの間におこる胎児奇形とその後の見られる薬剤による胎児障害の二つが考えられます。
催奇形性については、現在使われている薬物でヒトに対して奇形を発生させることがわかっているものはそんなに多くはありません。抗癌剤(メソトレキセート)、抗てんかん薬(フェニトイン・トリメタジオン)、抗凝固剤(ワーファリン)、男性化作用のあるステロイドホルモンなど特殊なものです。一方我が国において出生直後において発見される奇形は1%位で、先述の特殊な薬物を除けば、この奇形発生率を大きく超える薬物はないので、飲んでしまったらあまり気にしないことです。
これから薬を飲むかどうかという場合は、薬を飲むことによって得られる効果と、飲まない場合に予想される障害とを比較して薬物療法を行うか否かを決定します。従って薬を処方された場合には、指定どおり飲むようにして下さい。病気のために胎児、または母親にたいする障害が予想されているのですから。

不意の破水

子宮の中の赤ちゃんは、丁度ゴム風船の中の水に浮いているような状態です。このゴム風船に相当する薄い膜(卵膜)が破れて中の水が子宮の外に流れ出すのが破水です。普通は、強い陣痛が続いて、子宮口が開いてから破水するのですが、子宮の出口で感染等がおこり、卵膜が破れて羊水が流れ出てしまうことがあります。
破水した時の問題点は
(1) 陣痛が起こりやすくなること
(2) 膣の細菌が子宮内にはいり胎児に感染がおこる可能性がでてくる
ということです。
37週を過ぎていれば、胎児は成熟しているので感染を起こさないうちにお産になるようにします。胎児の未熟が予測される時は、できるだけ成熟するまで妊娠を継続しなければなりません。感染をおこさないようにするために、破水したかなと思ったらすぐに来院して下さい。少量であっても破水している可能性もあります。自分で判断できないような時は必ず診察を受けて下さい。